クールな冬野くんと聖なる夜にナイショのおしごと

「メリークリスマス」


そうして、冬野くんを乗せた透明ソリはまだ薄暗い夜空に姿を消した。



「恋雪〜!いつまで寝てるの〜?」


お母さんのそんな声と足音が聞こえて、わたしは心地よい眠りから目を覚ます。


「冬休みに入ったからって、もう少し早く起きるようにね」

「…あ、うん…」


時計を見ると、朝の10時を過ぎていた。

…もうこんな時間。


休みの日でも、遅くても8時までには起きているのに。


なんでわたし、こんなに眠っていたんだろう。

ふと考えてみると、冬野くんの顔が頭に浮かんだ。


…そうだ!

昨日の夜、一晩中冬野くんのお手伝いをして――。


だけど、あれは…夢?


夜空を駆けるトナカイの引く透明のソリに乗って、いろんなお家にプレゼントを届けるなんて…。


お母さんがわたしの部屋の窓のカーテンを開ける。