クールな冬野くんと聖なる夜にナイショのおしごと

冬野くんのお手伝いにきたっていうのに、冬野くんの足を引っ張ってしまうなんて…。

わたしは肩を落とす。


「落ち込まないで、白井さん。べつに怒ってなんかないよ?」

「でも、わたし…」

「白井さんらしいなって思ったんだ。俺、そういう真面目なところが好きだよ」


その冬野くんの言葉に、わたしの顔がぽっと赤くなる。


い…今、『好き』って…。


その『好き』ってどういう意味…?

と聞きたくなったけれど――。


「たしかに、サンタだからプレゼントを届けるのが当たり前と思ってたけど、そもそも人様の家に勝手に入るわけだから、『お邪魔します』って思って入らないとだめだよな」


冬野くんは、もうすでに違うことを考えているようだった。


そのあとも、順調に子どもたちへプレゼントを配る。


5歳の女の子には、ピンク色の自転車。