いよいよ、サンタクロースの初仕事だ。


サンタクロースは、絶対だれにも見られてはいけない。

これが絶対条件。


快調に走っていたクリスとイブは、とある家の前で止まった。


リビングだろうか…、そこにはまだ明かりがついていた。


「子供部屋は2階だろうね」


冬野くんは、真っ暗な2階を見上げる。

そうして、ソリから大きなプレゼント袋を持ち出し、肩にかけて背負った。


その姿は、本物のサンタクロースのよう。


「わたしも持つよ…!」


でも、こんなたくさんのプレゼントが入ったプレゼント袋なら絶対に重いはず。

いっしょに袋を持ち上げようと手を添えると、なぜか冬野くんは微笑みながら首を横に振った。


「大丈夫。ほらっ」


そう言って、わたしにプレゼント袋を差し出す。

持ってみると――。