「それじゃあ、行こうか。白井さん」

「うん!」


冬野くんが手綱を握ると、クリスとイブが駆け出した。


本当に、空の上を走ってる…!


わたしの家がどんどん小さくなっていき、星と月がどんどん近くなっていく。

家々の明かりがまるで散りばめられた宝石のように、上からだとキラキラして見えた。


ソリに乗ったサンタさんのイラストはよく見かけるけど、そのサンタさんから見える景色は…こんなにも美しいんだ。


「きれい…」

「そうでしょ?俺も初めてソリに乗ったとき、すごく感動したよ」


白い息を吐きながら、冬野くんはクリスとイブが導く先を見ていた。

わたしにとっては、そんな冬野くんの横顔ですらキラキラして見えてしまう。