驚いて顔を離せば、べーっと舌を出していた。
「舐めないでよ。」
「お子ちゃまキスの先に行こうかと思って。」
その言葉に興味深々の私は離れた距離を詰めて、胸にすがった。
「…でも、今日はダメ。」
「何で?」
「名前、知りたいんだろ?」
うん!と返事をして、大人しく離れて正座する。
そんな私を見て、鼻で笑った彼は長い前髪からじっと私を見つめた。
「3年。安達理玖(あだち りく)」
安達、理玖…。
綺麗な顔に綺麗な名前
「1年、白井彩です!」
「知ってる。」
「へへっ。私からは名前言ったことなかったから。」
安達理玖、安達理玖…と何度も頭で繰り返しながら綺麗な顔を眺める。
「名前まで綺麗なんだね。…理玖先輩」
わーっと自分で言って恥ずかしくなる。
やっぱり先輩だった!しかも3年!
それなら色気がすごいのも少しは納得いく。
「お前に先輩とか言われるとむず痒い。」
「だって先輩だもん。」
「理玖で良い。」
「えー…。」
呼び捨てはハードル高いよ。
「…りっくん…。」
「何だそれ。ガキか。」
「呼び捨ては無理だってー!」
無理無理と嘆いてる私の顎を捕まえて、色気たっぷりに言われる。
「理玖って呼ばねーとキスしねぇよ?彩」


