「…お前、なんか極端すぎるだろ。」
側にある潰れた顔を眺めて呟く。
人の顔をじっと見てきたり、ぶつぶつ1人で喋ったり。
何か知らねえけど、何がバニーちゃん目指すだ。
バニーてあれだろ?
てか、今の格好もなんなわけ?
体に沿ったチャイナ服
床に投げ出された足は太ももから見えてる。
目の前の潰れた顔をさらに手で潰してやる。
眉を顰めたが、お前が悪い。
文化祭に気合い入れすぎだろ。
体を起こして変な体勢で寝てるこいつを寝かせてやる。
ついでにソファにかけてあるブランケットも広げて胸から足までしっかり覆う。
手から落ちた携帯
何故かケースまで外れて紙が2つ落ちた。
1つは見覚えのある言葉だった。
そして、もう1つは電話番号
そっちは俺のポケットに突っ込み、見覚えのある紙はケースに挟んでやった。
「やっほー!……って、終わり?」
「してねぇ。」
「え?じゃあ何で女子がこんなとこいんの。しかもそこで寝てるし。」
「いいから。腹減った。」
「あ、彩ちゃんか!」
「…彩ちゃん、?」
「え?名前知らないの?結構密会してるのに?」
え?え?とニヤつきながら言ってくる祐希
無視して手に持ってる食い物を奪い取る。
「白井彩ちゃんだってー!綺麗だよね名前も!」
「うるせ。どっか行け。」
「感謝しなって。理玖は人に名前なんか聞かないもんな?」
女なんか特に。と言いながらニヤッと笑う祐希にポケットの紙を投げつける。
「それ調べとけ。」



