お家デートからあっという間に時間が過ぎて、卒業式も間近に迫っていた。



緊張していたお家デートもだんだんと横山さんのミステリー要素の方が気になって、横山さんは私のこと知ってたのか聞こうとしたけど、帰り道の車には理玖も乗ってたので聞けなかった。




『お前、この辺なんだな。』

『理玖の家からは遠いよね。』

『なんかこの辺来たことあるな。』


通ったことぐらいはありそうなところだよなー。と思いながら『ふーん。』と言ってたら横山さんが、


『彩様をお迎えした公園で理玖様遊んだことありますよ。』



突然そんなこと言うからびっくりした。
こんな御曹司がうちの近所で遊んでた…?

黒いピカピカの車が止まってたらざわめきそうだけどな。




「小さい頃からかっこいいんだろうな。…それこそあのヒーローみたいな。」



『ヒーローじゃなくてヤンキーだぞ。』



子どもの頃にヒーローに憧れないということは、あの子はませてたのかな。

理玖がヤンキーなとこ想像できない。
なんなら真逆の成績優秀な生徒会長がピッタリかも。