「泣くなよ」
「うん、れんれん、ごめんね…
今の幸は、れんれんの事が大好きでれんれんの彼女になりたいと思ってる。
でも…」
福はあふれ出てくる言葉を必死に飲み込んだ。
…でも、一か月後の幸は、もしかしたら拓巳が好きかもしれない。
「でもって? 何?」
「私はれんれんが好き…
れんれんにあんなに綺麗な彼女がいても、その気持ちは変わらない」
蓮は胸がキュンとした。。
心がざわつく原因は分かっている。
幸が可愛くてしょうがない。
「じゃ、安藤は?」
「拓巳はさ…
拓巳は大切な人なの、親友なんだ」
親友? 都合のいい言葉だよな。
って、その前にそんなこと俺が言えるのか?
透子っていう綺麗な彼女がいるやつが…
「ま、いいよ。
俺達がつき合うなんてあり得ないことだから」
「そんなことないよ。
そんなこと分かんないじゃん」
「そんなことあるよ。
だって、俺には透子っていう彼女がいるんだから」
「透子さんが素敵なのは分かるけど、明日にはれんれんは幸の彼氏になっているかもしれないよ」
蓮はゾッとした。
幸にメロメロになってしまうのも、もしかしたら時間の問題なのかもしれない。