れんれんと恋するための30日



皆がぽかんと福を見ている中、一人の女の子が手を上げた。


「幸が走るなら、私も走る。
幸、一緒に頑張ろう」


福は、すぐに分かった。
彼女は、きっと幸の親友だ。
すると、もう一人、手を上げる人がいた。


「じゃ、俺も走ります」


さっきのメガネの男の子だ。

一緒にかけっこに出てくれる女の子は東梨華といい、メガネの男の子は安藤拓巳という名前だった。
梨華と幸は、中学も一緒で大の仲良しだった。

拓巳と幸は、高校2年生になって初めて一緒のクラスになったみたいで、福の勘では、きっと、拓巳は幸の事が好きだ。

幸はどうなんだろう…? 
幸も拓巳の事が好きだったらどうしよう。
だって、私は、幸の体を借りて蓮と恋人同士になろうとしている。

今夜、幸に聞いてみよう…