「福…
突然、私の前から居なくならないでね。
もし、福がこうやって私の中で生きていけるなら、私はずっとここにいても構わないって思ってる。
福が一緒なら、幸は何でも我慢できる。
私、神様に届くかは分からなかったけど、ずっとそう叫んでた。
できるのなら、私を天国に連れて行ってほしいって…」
幸は本気でそう思っていた。
今の福のこの幸せそうな笑顔がなくなるなんて耐えきれない。
「幸…
そんな事、絶対に考えちゃダメだよ…」
福は涙で声が出ない。
でも、ちゃんと幸に伝えておかなきゃならないことがある。
福はしゃくりあげながら幸にこう伝えた。
「私は何をしてもどう頑張っても、9月30日には天国へ帰ることはもう決まってる。
それは私が望んだことだから、ちゃんと従う…
私と少しでも一緒にいたいって思うのなら、絶対にそんな事を考えないで。
私はこの30日を大切に生きる。
幸のためにも、満足して天国へ帰れるように頑張る。
そして私が帰った後は、幸が幸せになるの…
福のエキスがたくさん入った幸になって、この幸せを引き継いでほしい…
それが私の望みで、神様と約束したことなんだから」