「良かった… 幸が元気になったんならそれでいい。 あ、それとこれ…」 拓巳はそう言うと、小さなトロフィを福に手渡した。 「どうしたの? これは拓巳がもらったやつだよ」 MVPのトロフィは、小さいけれど光り輝いている。 「これは幸にあげる。 漫画を描くことしか知らなかった俺に、幸が走ることの楽しさを教えてくれた。 幸があの時100m走の選手に手を上げなかったら、俺はこんなのもらうことさえなかったんだから」 「でも」 「いいから、もらって。 幸、本当にありがとう…」