私が目を覚ましたのは、夕方になってから。

「姫華大丈夫!どこか、怪我してない?!」

「美香……ちゃん?どうしてここに」

「輝煌って男子に呼ばれたのよ。来てみたら保健室で姫華目を覚まさないし!」

「輝煌くんは……?」

「アイツとは、関わらないこと!関わっていいのは文化祭だけ!あとは、私が許さぬ」


私、輝煌くんに吸血されて……ここに連れてきたんだ。

その輝煌くんは、いない……か。


「姫華、帰るよ。起きれそ?」

「うん」


私は、ベットからゆっくりと美香ちゃんの手を借りながら起きる。

私のカバンは、美香ちゃんの手の中にある。

美香ちゃんは、昔から優しい。


私は美香ちゃんと玄関に向かう。

そこには、輝煌くんとカイトくんがいた。


「行こ、姫華」

美香ちゃんは、私を輝煌くんから近寄らせないようにする。

「姫華……」

私は、輝煌くんから目を逸らした。

吸血して私から逃げたと同じ。

私を弄ぶ男子って嫌いなんだよね。

「美香ちゃん行こ」

私は、美香ちゃんと外履きに履き替えて輝煌くんから離れた。

輝煌くんは、私をみていた。