星みたいな恋をしよう〜二人を繋ぐリボン〜

絆がそう返した後、二人の間に会話はなくただ歩いて行く。そのことに絆は疑問を抱いていた。

(どうしてオスカルさん、何も話さないの?いつもなら色んな話をしてくるのに)

オスカルはいつも、絆に色んな話題を振ってくれる。人気のドラマや音楽の話はもちろん、心理学や事件の話まで、話題は豊富で飽きさせない。だがオスカルは今日あまり話さず、ただ絆の手を引いて歩いている。その横顔は、どこか緊張しているように見えた。

(もしかして、オスカルさん何かあったのかしら。カウンセラーなのに気付けないなんて!)

人の心を見つめ、その人の傷と向き合う仕事だというのに、自分の大切な恋人と向き合えていない。そのことに対し、絆が自分自身に怒りと悔しさを感じていると、オスカルが「ついたよ」と声をかける。

「わぁ……!!」

目の前に広がる光景に、絆の胸の中から一瞬にして嫌な感情が吹き飛んでいく。二人だけの展望台の夜空には、美しい星が煌めいている。