コンクリート製の室内は窓などがないため、どこの建物なのかはわからない。だが、室内は荒れ果てているため、廃墟だということはわかった。
「誰か!誰かいませんか!?助けてください!!」
絆は大声で助けを呼ぶものの、その声は虚しく消えていく。その時、ドアがゆっくりと開いて二人の男性が入って来た。
一人は顔中にできものができた太った男性だった。大量の汗をかき、着ているシャツに汗が滲みている。荒い息を吐き、絆を睨むように見ていた。
もう一人は、髪の毛が薄くなっている痩せ細った男性だった。頰は痩せこけ、フラフラと歩いている。だが絆を見る目には、怒りがあった。
「あの、どちら様ですか?」
絆は震える声で訊ねる。すると痩せた男性が口を開く。
「父親と弟の顔も忘れたのか?」
「えっ……」
何と、目の前にいる男性二人はイギリスに連れられてから一度も会ったことのない父親の勝(まさる)と弟の一(はじめ)だと言う。しかし、最後に見た二人とはあまりにも見た目が変わっており、全く絆はわからなかった。
「誰か!誰かいませんか!?助けてください!!」
絆は大声で助けを呼ぶものの、その声は虚しく消えていく。その時、ドアがゆっくりと開いて二人の男性が入って来た。
一人は顔中にできものができた太った男性だった。大量の汗をかき、着ているシャツに汗が滲みている。荒い息を吐き、絆を睨むように見ていた。
もう一人は、髪の毛が薄くなっている痩せ細った男性だった。頰は痩せこけ、フラフラと歩いている。だが絆を見る目には、怒りがあった。
「あの、どちら様ですか?」
絆は震える声で訊ねる。すると痩せた男性が口を開く。
「父親と弟の顔も忘れたのか?」
「えっ……」
何と、目の前にいる男性二人はイギリスに連れられてから一度も会ったことのない父親の勝(まさる)と弟の一(はじめ)だと言う。しかし、最後に見た二人とはあまりにも見た目が変わっており、全く絆はわからなかった。

