星みたいな恋をしよう〜二人を繋ぐリボン〜

絆の履いている白いハイヒールが、一歩歩くたびに音を立てる。静かな廊下にやけに大きく響き、賑やかなパーティーホールにいたせいか、絆は寂しさを覚えてしまった。

「早く行って戻ろう」

絆がそう呟いたその時だった。突然首に大きな衝撃が走る。絆の目の前は一瞬にして黒に染まり、体から力が抜けていく。

(何?何が起きたの?)

誰かに乱暴に担がれていることだけはわかったものの、絆の意識はそこで途絶えた。



「ううっ……」

絆が目を開けると、そこは見たことのないコンクリート製の天井だった。ホテルの天井でないことはわかる。

「ここは……?」

絆は起き上がろうとしたものの、体は思うように動かない。手足を縄で縛られているためである。

「えっ……」

絆は手足を動かそうとするものの、縄が食い込んでしまうだけで解ける気配がない。もがいている間に絆は誰かに襲われたことを思い出し、体が震えた。

「あたし、誘拐された?」