星みたいな恋をしよう〜二人を繋ぐリボン〜

友達は指輪を口々に褒め、絆は薬指の指輪を見つめる。あの日渡された大切な指輪だ。だが、婚約指輪や結婚指輪に特別なこだわりのなかった絆は、そんなにすごいものなのかと驚く。

「あたし、何も知らないで貰っちゃったわ……。どこのブランドとかも気にしたことなかった」

絆がそう言うと、「こんなにいいダイヤの指輪なのに!?」と全員に言われてしまう。そこからは、全員から合コンやマッチングアプリで出会った最悪な男性との話、彼氏の最悪なエピソードを話し、「絆ちゃん、彼氏にめちゃくちゃ愛されてるんだからね!」と何度も言われる。

「うん、わかったわ。帰ったら彼にちゃんとお礼を言うわ」

絆は羨ましがる友達に強く言い、トイレへ行くために友達に声をかけてパーティーホールを出る。

「数年ぶりに会うと、やっぱり楽しいな」

そう独り言を呟き、絆は廊下を歩いて行く。ホテルの廊下は何故か人がおらず、絆しかいない。どこか不気味だ。