それは俺に言うよりも、ロザリンドに願って貰えば、あの気まぐれな神様が何とかしてくれるかも。


 ……とは、決して言わない。
 俺だって万能キャラだからね?
 依頼されたら、頑張りまっせ。
 ペンライトじゃなくて、折るサイリウムなら。
 酸化液と蛍光液なら、どうにかなるかも……
 いやもう、これから電池発明する?

 ただ、これだけは言ってみた。


「2.5もいいけどさ、女性ばかりの歌劇団もいい、と思うよ?」

「そうだな! あの大階段! 絶対に人気出るな!」

「お前さ……卒業後は王太子殿下に誘われてるんでしょ?
 文化大臣にして貰えば?」

「……殿下が俺に求めているのは、そう言うんじゃなくてさ。
 ……国を動かすんじゃなくて、人の心を動かしたいんだよ、俺は。
 適材適所で言えば、俺には国政なんて絶対に無理だから」


 ◇◇◇
 

「カールのことも誤解してて避けたりしてて、悪かったな、と思ってる」


 カールはまだ来ない。
 オスカーが魔法科棟の方を眺めながら呟いた。