「……これが、おうとつね」

浬くんは『凹凸』と書かれた漢字を指差した。



……え?


「お、おうとつ……」



「……ふふっ。凸凹ってでこぼことも読むんだけど。」


面白い文字をしてるなぁ……どう言う書き順なんだろう。

「あぁ!……んっ?」



……でも、やっぱりわからないっ……!


「……ははっ……!」


バカなのが、バレてく……。




「難しいよね。……ま、頑張ろ」


や、優しい……。




「……うんっ」

そして、私の頭を撫でてくれた浬くん。







……ドキドキッ。

最近、こういうことがよくある……。




浬くんの、言動に、要所要所ドキドキしてしまうんだ。



こういうこと……小さい時にも一回だけあった。


『……痛ぁーーい!!』


私が、机の角に頭をぶつけて、泣きじゃくっていた時。


浬くんが私のことを抱きしめて、ずーっと一日中頭を撫でてくれていたんだ。


痛くなくなったから、
『痛くなくなった!!』


って、言ったら。


『……ほんと?よかった』




……ドキッ。

浬くんの笑顔が眩しくて。



思わず、目を逸らしてしまった。







「……ゆー……ま、……ゆ〜」




……!?


呼ばれてた……っ!




「……うぁっ……ご、ごめんねっ……!!」


「大丈夫。……なんかあった?」


「……何もないよ!」



「そっか」


その後も2人で勉強をして……。



鐘が鳴ったので、教室へ帰った。


帰ってる途中も、浬くんが歩くからか、女の子が目をハートにしてこちらを見ている。


……お、おぉ……。



私なんかが、隣にいていいのかな……。





こんなかっこいい人の……。




「浬くんって、いつも人気だよね」



「……」


「浬くん……?」




「……ありがとう」






「うんっ、それと、すごく優しい……」






「……茉雪にだけ」



……え?






「……えっ?」





驚いたその時。





「……あの!」




後ろから、男の子に声をかけられた。






びっくりして浬くんをみると。