「そろそろ集合時間になりますので、琳凰くんを連れて行ってもよろしいでしょうか」
「は、はいっ、もちろんですっ」
「ありがとうございます。ではまた後ほど。琳凰くん、行きましょう」
「わかったよ・・・。いいんちょー、またあとでね」
氷上くんは渋々そう言うと、藤堂さんと一緒に行ってしまった。
小さくなっていく二人の背中。
・・・・・・やっぱりお似合いだ。誰が見ても。
氷上くんの隣を歩いても全く違和感のない藤堂さん。
私にあのポジションが務まるわけがない。
別世界の王子様とお姫様を見てる気分。
また、思い知らされた気がする。
・・・・・・いい加減、諦めなきゃ。
くるりと向きを変え、自分の住む世界へと足を踏み出した。


