「もうやめよう。・・・・・・こういうの、やっぱり良くないよ」 わたしがそう言って止まると、氷上くんも足を止めた。 たぶん私を見下ろしているだろうけど、私は氷上くんの顔を見ることができない。 ワルツだけが小さく流れたまま。 「藤堂さんが、悲しむと思う。好きな人が・・・他の誰かと踊っていたら、やっぱり悲しいよ」 「・・・・・・」 氷上くんは何も言葉を発さない。 わかってくれたのかな。 そう思ってゆっくりと氷上くんを見上げると、目の前の綺麗な顔が苦しそうに歪んでいた。