「行かないで・・・」


振り返った氷上くんの目が見開かれているのが、ぼんやりした視界の中でもわかる。


「氷上くん・・・」


私は何を言おうとしたんだろう。


引き止めた挙句、名前まで呼んだくせに無責任にも瞼は閉じて、私は意識を飛ばしてしまった。





「・・・あーもう。可愛いすぎでしょ・・・。せっかくこっちが必死に・・・・・・」


意識が途切れる寸前、氷上くんが何か言ってた気がする。