「はい。おかげさまで仲良くさせてもらっています」
「ちょっと噂を小耳に挟んだもんでな。君は、さぞかしモテるだろう。遊びたい盛りなのもわかるが・・・、桃香を泣かせることだけはないよう、よろしく頼むよ」
「・・・・・・はい。心得ております」
誰に何を聞いたんだろうか。
まぁ、史彦さんならいくらでも繋がりはあるだろう。
たぶん、ってか絶対、いいんちょーのことだよな。
名前は出されてないが、それくらいしか心当たりがない。
学校での様子を誰かが史彦さんの耳に入れたに違いない。
俺は・・・・・・。
膝の上に置いていた握り拳に、無意識に力が入っていた。
もっと自覚を持たないといけない。
桃香っていう、婚約者がいることを。


