何故か黙っている加瀬くんの顔はさらに赤くなったような?
「色んな男たちからって・・・まさかぁ〜、私が?ないない、ないよ」
こんな、ごく普通の私だよ?
栗色の鎖骨下まである地毛がサラサラなくらいで、顔は平凡だし、痩せ型だけど身長も158cmで普通だし、とくにモテ要素はない。
「ほらみろ。加瀬、苺花はこの通りだから、豪速球ストレートくらい投げないと、球投げられてることにすら気づかないよな?」
「あ、あぁ、そうだな」
「え、何の話?」
だめだ、ふたりのやり取りが全然わからない。
やっぱり私の理解力が壊滅的なのか?
勉強だったら、必ず答えがあるから分かるのになー。人についてはホントに勉強のしようがないし、難しい。
それから、話は自然と逸らされ、私たちは小腹を満たして帰った。


