御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?



「ふたりとも、いつものでいい?」

「おう。さんきゅー」

「うん。ありがとね、加瀬くん」


ファミレスに着いて、早速加瀬くんがドリンクバーに行ってくれた。


いつも率先して行ってくれる加瀬くん。


最初は私ものんちゃんも遠慮してたけど、『ふたりは座ってて』って毎回言ってくれる加瀬くんに素直に甘えることにした。


「苺花よ、さっきの氷上を見たか?私は自分の感を信じることにしたよ」


のんちゃんが指で眼鏡をくいっと上げた。


「え?なにが?」

「まったく。あんたは呑気で良いねぇ。もうすぐ嵐に巻き込まれるかもしれないっていうのに」

「のんちゃん、ごめん。全く理解できない」

「・・・まあ、いいわ。わたしゃそっと見守ることにするよ」




ひとりで完結させちゃったのんちゃん。


まあ、こういうこともよくあるんだけど。私の理解力が足らないのが問題なのかな?


そんなことを思っているうちに加瀬くんが戻ってきた。


「はい。森下、コーラ。高沢、カルピスソーダな」

「さんきゅー」

「ありがとう、加瀬くん」

「おう。俺はメロンソーダ〜♪」


そう言って加瀬くんは私たちと反対側に腰掛けた。