周りから感じる視線。大半は私を睨みつけてるであろうご令嬢たちのものだと思う。
仕方ないじゃないか・・・
教科書忘れたって言うんだもん!
・・・・・・そう、最近のおかしな事はこれ。
氷上くんが頻繁に教科書を忘れてくるのだ。
最初はなんとも思ってなかったけど、最近はほぼ毎日、1回はある。
なんで??
どうかしたのかな・・・?
毎日忘れ物するくらい、何か精神的ダメージがあるとか・・・
先生たちも氷上くんにはさすがに何も言えない様子だし。
「氷上くん、なにかあったの?最近毎日忘れるよね?」
「ん?なにもないよ」
「ほんとに?」
「うん。・・・・・・ただ、」
「ただ?」
「1日1回は、いいんちょーに教科書見せて欲しいなって」
「・・・・・・・・・・・・。ん?」
「ん?」
王子様スマイルを向けている場合じゃないぞ。