御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?



ハァハァ・・・


学園の昇降口に着き、急いでスリッパに履き替え講堂を目指す。


夕暮れの校内に生徒が残っている気配はほとんどなくて、外で部活をやっている子たちの声が微かに聞こえてくるだけ。


その中で私のスリッパの音だけが廊下にパタパタと響いていた。


走っているせいもあるけど、これから待ち受けている何かに、バクバクと心臓が鳴り不安と恐怖に支配されていく。


琳凰くんっ・・・・・・


お願いだから無事でいてっ