3人で昇降口に着くと、今は会いたくない人がそこにいて、思わず足が止まった。
他の2人も同じように足を止める。
「結城、今来たのか?」
のんちゃんが結城くんに声をかけた。
たった今靴から校内用のスリッパに履き替えたらしい、結城くんと・・・・・・琳凰くん。
「森下ちゃん!今日会えるなんてっ」
のんちゃんと会えたことにテンションが上がった結城くんは、隣の琳凰くんを見てすぐに落ち着きを取り戻した。
「ちょっと俺ら用事があってさ。3人は・・・これから帰るとこだよね?」
結城くんがこの場に漂う気まづい空気をどうにかしようとしてくれているのが伝わってくる。
琳凰くんを見ると、目が合ってパッと視線を下に逸らした。