御曹司くんには婚約者がいるはずでは!?



キーンコーン



タイミングよくチャイムが鳴り、4限目の終了を告げた。


となると、もうすぐやってくるはず。


できれば来てほしくない。


でも、早く決着をつけないといけない。



私はベッドの布団に潜ったまま、その人が来るのを待った。



コンコン、ガチャ


「苺花?」


・・・・・・来た。


「苺花、大丈夫?」


カーテンを優しく開けて琳凰くんが顔を見せた。


「うん、少し寝たらよくなったよ」

「・・・・・・、まだ、話してくれない?」


そう言って琳凰くんはベッドサイドの椅子に腰掛けた。


「ううん。今、話してもいいかな?」


私はゆっくりとベッドの上で身体を起こした。