あっという間に2曲目が終わり、次がラストダンス。


恋人や好きな人がいない人たちは食事ブースへとはけて行く。


残った人数は半分くらいに減った。


私の目の前には加瀬くんが手を差し伸べてくれている。


この手を掴めば・・・・・・間違いなく幸せになれると思う。


一瞬、氷上くんの顔が頭をよぎったけど、それを振り払うように頭を振った。



現実を見るんだ。


そう決心して、加瀬くんの手を握ろうと私も手を差し伸べた。



パシッ


横から入って来た綺麗な手に、差し出した手首を掴まれ、クイッと引かれる。


っ!


「・・・っだめ、いいんちょ」


少し息を切らした氷上くんが立っていた。