優雅に流れるワルツの中、みんな楽しそうに踊っている。


これだけいれば、氷上くんと藤堂さんを見ることもないかなって思ってたのに・・・・・・


やっぱり、見つけてしまうんだ。


チラッと見ただけなのに、氷上くんと目が合った気がしてすぐに逸らした。


「高沢」

「ん?」


ダンスのステップを踏みながら、目の前の加瀬くんを少し見上げた。


「好きなやつ、いる?」

「えっ?」


ドクドクと心臓の音が大きくなる。


身体の接している部分から加瀬くんへ伝わってしまいそうだ。


「もし、高沢に他に好きなやつがいても、俺の方がそいつより高沢を幸せにする自信あるよ」

「加瀬くん・・・」

「だから、俺を選んで。高沢。絶対後悔させないから」