「へぇー。」

リアクションをしてから、もはや時間が勿体ないほど早く流れる。

「…そういえばさ、紫色のインクってないのか?」

もうどうにでもなれ。と、ほぼやり投げで、俺は問いかける。

「えっ!!」

すると、リアネッサは綺麗な瞳を零れ落ちそうなくらい見開く。

(…そんなにビックリするか?)

でも_

好きな人ほど、何をしていようとも可愛く見えるのは永遠の謎だ。

「インクにもしかして、興味が!?紫色のインクね。」

インクセットを探すリアネッサ、でもその顔は徐々に曇る。

「今は無いみたい…。」

「そうか。残念だな。」

また今度にするか。そう思って、席に戻ろうとした。

「あの〜、もしアレだったらお家に来る?」

だが足は、その一言でカチリと止まってしまうことになる。

「…えっ。」