「ねぇ、こっちの翠華はどう?」

リアネッサがインクを両手に取り、いかにも楽しそうに笑う。

(……可愛い。)

心では悶々と思うが、顔は緊張によりポーカーチェイスが続行中。

「綺麗な色だな、そのインク。」

でも、そうは言ってられない。

ーーあの日から数日後ーーーーーーーーー

_ライ姉の腕のインク、落ちないようにカバーしてあって大変だった〜!

結構特徴的な色だったけどねっ!紫がかった黒色って感じ?

でさ、本題なんだけどそのインクかもしれない「紫蝶」を入手してよ♪

"リアネッサ・キノカ"ちゃんからね。

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こう言われたら、やるしかないのだ。

(でも…)

机に上質な紙を広げ、ガラスペンでサラサラと文字を書き込むリアネッサ。

濡羽色とでも言うのだろうか?

艷やかなカーブのかかった黒髪が下を向くことで、ハラハラと落ちる。

「…このインクは緑が含まれていて、可憐な植物をイメージしてるの。」