「それだけじゃない。
帽子の持ち主には、メロウの言葉が分かるようになる。
そして、メロウはその帽子をとったやつの言いなりになるしかないんだ。
そいつの召使い代わりに働かされたり……。
ひどい時には、モンスターを売買している、
闇市に出されて、売られていくこともある」

「えっ!」



 なにそれ! ひどすぎる……。

 おしゃべりが好きで、わたしをかわいがってくれて、
 でも、モンスターだからどこか感覚がズレていて……。

 そんなところも、おもしろいなぁって思える女性。

 そんなキヨコが、だれかの言いなりになるなんて。

 わたしにもことの重大さが分かってきた。




「マオ、今、キヨコはどうなっているの?」

「ああ、その冒険者につきしたがって、地上へ向かっているそうだ」



 キヨコがいたのは地下三階の水のエリアだから……。