「エートちゃんの今日の運勢は……。
うん、トラブルにまきこまれるね」

「いや、毎日のように巻き込まれてますけど」

「でも、それをのりこえたら、ラッキーなことがあるよ!
ラッキーアイテムは、真珠!」

「ラッキーなことかぁ。
でも、真珠は持ってないなぁ。高価なものだし」

「メルダの占いなんて、信じるかぁ? うさんくさい」

「ヴァンくんは……、うん、
かっこわるいってヘコむできごとがあるよ」

「はっ、信じないね」



 そんな感じで、わたし、ヴァン、メルダさんでわいわいやっていると……。



「緊急事態だ。管理人全員は食堂に来い」



 マオが来て、けわしい顔でそう言った。

 な、なんだろう?

 管理人たちが食堂兼会議室に集合すると、
 マオはみんなを見回し、口を開いた。



「地下三階の住人、マーメイドのキヨコの帽子が、冒険者に盗まれた」