いわゆる、「意思のない泥人形」だってヴァンが教えてくれた。

 へー、ゴーレムって、生きているモンスターってわけじゃないんだ。



「エートちゃん、今日なにかもらったら、
それはしばらく持っているが吉って出てるよ。
あと、どろどろ注意報ね」



 行きぎわに、メルダさんがそう教えてくれた。

 どろどろ注意報って……。そんなに汚れるの?

 ヴァンと地下五階に向かうと、
 ノームのおじいちゃん、おばあちゃんたちがむかえてくれた。



「おーおー、よく来たの」



 この黄色いとんがり帽子をかぶった、
 ひげもじゃのおじいさんノームの名前は、エルノック。

 ノームたちをまとめる、リーダー的存在なんだって。



「お? 嬢ちゃん、その頭のはシルフの羽の髪飾りかい?」

「うん、ヴァンにもらったの。いいでしょ~」

「ふぉっふぉっ、青春じゃのー。わしもあと五百歳若ければのぅ」