小さいヴァンを思い浮かべて、ほほえましさに思わず頬がゆるむ。

 マオは、当時何歳くらいだったんだろうな。

 うーん、こっちは想像するのが難しい……。



「おお、マオどのではないか。いつの間にやってきたのだ?」



 サラマンダーも、こちらへやってきた。



「ついさっきだ。そうだ、ムドー、新しい管理人を紹介しよう。エートという」

「あ、その、改めまして、よろしくお願いいたします」



 挨拶をすると、サラマンダーは、ほうほうとうなずいた。



「なるほど、なるほど。この小娘がなぁ。
度胸があって、よろしい。
よし、エートとやら、わしのことを、ムドーと名前で呼ぶことを許可しよう」

「あ、ありがたき幸せにございます」



「ああ、その堅苦しい言葉遣いも、もうよいぞ。
わしをのせるための演技だったのだろう?」



 ばれたか。あの言葉遣い、疲れるんだよねぇ。