「あの、マオ。恥ずかしいから、もうそろそろ……」



 なんだかんだで、なでられてかなりの時間が経っていた。



「ん? ああ、すまない。きみ……いや、おまえの頭はなで心地がよくてな。嫌だったか?」

「いや、その、嫌じゃない……デスケド……」



 最後の方はもにょもにょと小さい声になってしまったが、マオには通じたようだった。

 最後に頭を優しくぽんぽんとされる。

 ひゃあ、や、やっぱり恥ずかしい!



「昔はヴァンにもやってやったんだが……、最近はさせてくれなくなってな」

「おい、じじいかおまえは。そんな昔のこと言ってんじゃねーよ。最近じゃなくて、もうずっとだろ」



 サラマンダーと言い合いをしていたヴァンが、瞬時にツッコミを入れてきた。

 へー、なんだか意外。マオがヴァンの頭をなでている時もあったんだ。