【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~




「マオ、あの時の魔王サーペントスって……。
マオなの?」

「ああ。そうだ」



 えええ! 
 そんな、アッサリと。

 フリーズしているわたしにむかって、マオは一言。



「……言ってなかったか?」



 いつものように、首をこてんとかしげたのであった。



「聞いてないよおおお!」



 なんだろう、怒りと、脱力感と、安心感で、
 なんかもう、感情がごちゃまぜだ。

 いつだったか聞いた、マオと他の管理人との会話を思い出す。

 ダンジョンの隠し要素……。

 隠し部屋担当で、暇……。

 頭の中で、ピンとつながる。

 そうか、このお試しダンジョンの隠し要素が、魔王のマオだったんだ。

 それで、ダンジョンの隠し部屋では魔王としてスタンバイしてたけど、
 冒険者たちはダンジョンクリア証明書に満足して、
 だれもこないってことだったのね……。