「マオ、あの時の魔王サーペントスって……。
マオなの?」
「ああ。そうだ」
えええ!
そんな、アッサリと。
フリーズしているわたしにむかって、マオは一言。
「……言ってなかったか?」
いつものように、首をこてんとかしげたのであった。
「聞いてないよおおお!」
なんだろう、怒りと、脱力感と、安心感で、
なんかもう、感情がごちゃまぜだ。
いつだったか聞いた、マオと他の管理人との会話を思い出す。
ダンジョンの隠し要素……。
隠し部屋担当で、暇……。
頭の中で、ピンとつながる。
そうか、このお試しダンジョンの隠し要素が、魔王のマオだったんだ。
それで、ダンジョンの隠し部屋では魔王としてスタンバイしてたけど、
冒険者たちはダンジョンクリア証明書に満足して、
だれもこないってことだったのね……。



