ノックをきっちり三回。

 すると、「開いている」との懐かしい声。

 わたしは思いっ切りドアを開けた。



「みんなー、ただいま~っ!」



 ソファで寝そべっていたヴァンが、がばっと起き上がる。

 ビックリした顔。

 ふふふ、なんかかわいい。

 大きな机に備え付けの、
 いつものイスに座っていたマオは、
 まるでわたしが来るのが分かっていたような静かな笑みを浮かべていた。



「ちょ、おま、え? なんでここにいるんだ!?」



 ヴァンは動揺しつつ、こっちに近づいてきた。

 そのまま、きれいな指でわたしのほほをぐにっとつねる。

 ドキドキするけど、痛い!



「いだだだ、あにすんのよ!」

「夢じゃ、ないみたいだな」



 もう! 人のほっぺたで、試すな!

 ……うれしいけど。