そおっと、
 アンダーソンが気絶していることを確認すると……。



「しょ、勝者、エレオノーラ王女!」



 ヴァンを見て、がくがくと震えながら、審判はそう宣言した。



「よって、
アンダーソン公子とエレオノーラ王女の結婚は無効とします!」



 うおおお! 
 と観客席が割れんばかりの歓声に包まれた。



「やったー! やったよ、ヴァン!」



 わたしはヴァンに抱きついた。

 ヴァンも、わたしの背中をぽんぽんとたたいてくれる。

 と、そこで……、
 緊張の糸と魔力が切れて、わたしは意識を失ったのだった。