「9」



 でも、わたしは、わたしの運命に精一杯あらがった。

 わたしのために、力をつくしてくれる、仲間もいた。

 大好きな人とも……、ヴァンとも、出会えた。

 だから、わたしは……。

 満足だ。

 ――この一ヶ月、本当に楽しかった。

 この思い出とともに、生きて行こう。



「8」



 ……なんて、考えると思う?

 条件その3!
 『アンダーソン公子の
 降参・戦闘不能のいずれかをもって、敗北とする』。

 さっき、わたしはムドーの体に隠れて、
 ケルベロスの氷の息でできた、するどい氷のつららを一本もぎ取っていた。

 これでもって、ケルベロスの隙をついて、
 アンダーソンに向かって、攻撃してやる!

 条件には、
 「王女はアンダーソン公子を攻撃してはならない」
 なんて、書いてないもん!

 わたしは、最後まであきらめない!

 そう、強く思った時だった。