「さあ、皆様、ご覧ください! 
わたくしの仲間の最後の枠は
――わが家の力強い番犬、ケルベロスであります!」



 観客に向けて、アンダーソンは満面の笑みを浮かべた。

 わあああっと観客が盛り上がる。

 そんな、竜倒公爵の家で、
 あんな上級モンスターを飼っていたなんて……。



「案ずるな、エート。王は負けん」

「嬢ちゃん、まだこっちは、ばっちり三人残ってるぞい」

「そうよ、エートちゃん。わたしたちの力、見せてあげる」



 わたしが不安でいっぱいになっていると、みんなが励ましてくれた。

 そうだよね。みんなの力を信じなくっちゃ!



「みんな、お願い! がんばって!」



 わたしの声を皮切りに、みんなは三方向に散っていった。

 ムドーは炎の息。

 エルノックはするどい岩。

 キヨコは水の矢。