「あ、あ……。こ、降参だ! 
降参する! 
だから、攻撃はやめてくれぇ!」


 わたしはすぐさまそれをモンスターたちに伝えた。

 やった! 

 これで、三人ともやっつけたよ!

 あとは、アンダーソンだけ……。

 モンスターたちに一斉攻撃されたら、終わりだよ!

 それなのに、アンダーソンは、不敵な笑みを浮かべていた。



「さあ! おまたせいたしました、皆様! 
今までのはあくまでも前座……。そう、前座であります!」
 


 前座!?

 どういうこと?

 じりじり、とムドーたちがアンダーソンに近づいても、
 アンダーソンは不敵な笑みを浮かべて話し続ける。



「ご安心ください。わたくしが負けることなど、
絶対にありえないのです。……封印解除!」



 アンダーソンの言葉と同時に、
 あの大きな鉄の箱に描かれていた魔法陣が消える。

 その瞬間、鉄の箱が中からガゴンッ! 
 とぶち破られた。

 中から出てきたのは……、三つの頭を持つ、巨大な犬。



「ウオォォオンッ!」



 そのモンスターは、大きな声でほえた。

 そう、「地獄の番犬」とも呼ばれる、上級モンスター。

 その名は――、ケルベロス。

 それが、わたしたちの前にたちはだかっていた。