わたしは、今、
 城の謁見(えっけん)の間(目上の人と会う部屋のことね)で
 お父様の前にいる。

 お父様の近くには、ウォルツ竜倒公爵、
 つまり、アンダーソンの父親もひかえていた。

 これは、わたしがそう頼んだのだ。

 言いたいことがある、と。

 これは、マオと管理人のみんなで立てた計画の第一歩だ。

 あの後、わたしとマオで、今までのことを管理人みんなに話した。

 驚いている人もいれば、うすうす感じていた人もいたけれど……。

 ヴァンが、「どんな肩書きであれ、エートはエートだろ」と
 きっぱり言ったのを皮切りに、みんながヴァンの考えに賛同してくれた。

 ありがとね、ヴァン。

 それにみんな。すっごく心強いよ。

 わたしの正体がエレオノーラ王女だって分かっても、
 みんな緊張したり、かしこまらずに、普通に接してくれたんだ。