「きゃああ!」
火の粉が空から降ってきた。よけられない! と思った瞬間。
「せめて、自分の身は自分で守れるようになれ」
わたしたちの頭上には、鈍く光る、薄い膜がはられていた。
ヴァンが手をかかげているところをみると、防御魔法を使ってくれたのだろう。
火の粉はバリアにあたり、そこではじけてこちらに向かってくることはない。
金髪が淡く光ってを反射して、青い瞳が真剣に前を見すえていて……。
バチバチとはじける火の粉に照らされるヴァンは、なんていうか、その、すごくカッコよかった。心臓がドキドキする。
「はー、こりゃ、管理人としては失格だな」
火の粉が止み、バリアをといたヴァンはため息をついて言った。
それに、さきほどとは違った意味で、心臓がドキッとする。
そうだった!
これは、わたしの新たな人生への第一歩。



