この上、アンダーソンとの結婚するってなったら、
一生牢獄の中に閉じこめられているのと同じだ!
そこで、はっとした。
お母様の詩にあった、籠の鳥。
燃えるような恋がしたいという叫び。
そっか……。
お母様も、お父様と結婚した時、こういう気持ちだったんだ。
お母様は、「嫌だとひと声鳴いてみせたかった」と言っていた。
なら、わたしが代わりに……。
別の人生を歩んでやる!
そう思ったら、行動は早かった。
まず、お父様が不在の間に、
お父様の部屋に行って、魔法のつけぼくろを机からとってきた。
このほくろは、お父様がおしのびで移動する時に使われるものだ。
これを顔につけると、「集中」の魔法がかかる。
相手は、そのつけぼくろを「集中」して見てしまい、
ほくろをつけていた人の顔全体がどうだったか、
ぼんやりとした印象しかもたなくなるのだ。



