バサッと音を立てて、ヴァンの背中から翼がはえた。

 さっきのコウモリちゃんの翼をおっきくしたような、黒い翼だ。



「うわー、すごい! ヴァン、飛べるの?」

「そりゃな。ほら」



 ヴァンはふわりと宙に浮いてみせた。

 そのまま、舞い上がり、どんどんスピードを上げて、宙を飛び回る!

 早すぎて、目で追えないよ!

 わたしの前にすたっと降り立ち、「どうよ?」とヴァンは誇らしげに笑った。



「かっこいい! すっごく速くて、かっこよかった!」



 興奮して、それしか言えない。でも、ヴァンは満足そうだ。



「あとは、あんま見せて気持ちのいいもんじゃねーからな。
今日はこれでおしまいだ」

「まだ何かあるの?」



 こんなにたくさん能力をもってるなんて。ヴァンパイアって、すごいんだなー。



「まあ、あとは見てのお楽しみってことだ」

「わかった」