「そうそう、赤ん坊のおまえは、
抱っこしてやると必ずおれの首筋を噛んでな。
ちゅうちゅうと血を飲むのがとても愛らしかったぞ」

「マオーッ! 余計なこと言うな!」



 えー、想像するとかわいいな。

 赤ん坊のヴァンや、ちっこいヴァンが一生懸命血を吸ってる姿。

 でも、やっぱり昔のマオの姿は想像できないな……。

 うーん、というか、マオは今いくつなんだろう? ホントにナゾだよね。



「今は! そんな話! 関係ないだろーが!」



 ヴァンはマオの服をひっぱってぎゃーぎゃーと抗議し、
 マオはそれを温かい目で見守っている。 

 マオがヴァンを育てたって聞いた後だからかな。

 なんだか反抗期の息子と、おっとりとしたお父さんって感じで心がほっこりする。




「いや、関係あるぞ。
今のが、おまえの『食事の条件付け』だ。
いつもそうしてきたし、それで魔王化しても、理性をたもってただろう?」