「よし、エート。覚悟は決まったようだな。
じゃあ、あとはおれの命令にひたすら従え。
そうすりゃ死ぬことはねーよ。たぶん」

「……やっぱりたぶんがつくんですね」

「敬語はナシでいい。さ、行くぞ」



 ヴァンはわたしの腕を再びつかみ、歩き出した。



「うわっ、待って、ヴァン。ひっぱりすぎ!」



 こうして、わたしはあの煙が吹きあがっている二階の部屋へと引きずられていった。