「あー、エート。
おまえが……、その、
そんなに髪飾りを大事にしてるなんて、知らなかった。
ハーピーにわたしてやれなんて言って、悪かったな」



 ヴァンは早口でそんなことを言った。

 うわ、そういえばわたし、結構恥ずかしい言葉を口走っていた気がする……。

 じわじわと顔に熱があつまっていくのがわかる。



「おまえの髪飾りに似たやつ、もう作らないから。大事にしろよ」



 そう言われて、またほほ笑まれて、もう、なんていうか。

 胸にぐあーってこみあげてくるモノがあって……。

 この気持ち、何なの~!?

 わたしがぐるぐるしている間に、ヴァンは西の方へ駆け出していた。

 はっ、そうだよ、キヨコを取り返さなくちゃ!

 待ってよ~、ヴァン!